Claude for Google Workspace 擴大非工程師可自行製作業務工具的範圍
非エンジニアでもClaudeでここまでできる! 新機能「Claude for Google Workspace」で広がった「自分で作れる範囲」
文章示範非工程師如何用 Claude 製作企劃書和單頁投影片,並透過 Claude for Google Workspace 在 Google 試算表建立銷售彙總表及圖表。
「業務アプリは専門家に頼むもの」。この前提が、2026年の秋にはっきり崩れました。要件を一番よく知っている業務サイドの人が、Claudeを使って自分の手でアプリやダッシュボードを作れるようになったからです。10月には新機能が立て続けに発表され、「自分で作れる範囲」はさらに広がりました。
本連載では、非エンジニアである筆者が、Claudeを使って自分の業務をどう回しているかを、手順と画面つきでお見せします。同時に、「ここから先はエンジニアにしか任せられない」という線引きも、毎回はっきり示します。
10月27日(火)発売の書籍『Claude AI活用 最強の教科書』に書ききれなかった応用的な内容や最新のアップデートについて解説します。書籍をあわせて読むとさらに理解が深まることでしょう。
第1回は、10月に追加された新機能である「Claude for Google Workspace」を実際に触りながら、その線引きについて考えていきます。
1|業務サイドの人が、自分で作り始めた
筆者は、プログラムを書かない、いわゆる非エンジニアです。本業は中小企業の経営支援で、AIは自分の仕事を回すための道具として使っています。その筆者が、いまはClaude Code(開発者向けのAIエージェント)に指示を出して、資料の整理、データの集計、原稿の校正といった自分の業務を回しています。
できるようになった理由は単純で、「何をしてほしいか」を日本語で伝えれば、AIが作ってくれるようになったからです。要件を一番よく知っているのは、その業務を毎日やっている人です。これまでは、その要件をエンジニアに伝え、仕様に落としてもらい、できあがったものを確かめる、という往復が要りましたが、今は、要件を知っている本人がそのまま作り手になれます。
10月のClaudeの新機能の発表は、この流れをさらに押し進めました。
- Docs/Slides/Designが全プランで使えるようになりました。Claudeの中で文書・スライド・デザインを作る機能が、10月8日にベータを終了し、無料プランを含む全プランで使えるようになりました(Enterpriseプランでは10月15日から既定で有効)。日本語表示の画面では「ドキュメント」「スライド」「デザイン」と表示されます。
- Claude for Google Workspaceアドオン。Google ドキュメント・スプレッドシート・スライドの右側にClaudeのパネルを出し、いま開いているファイルを読ませて、その場で編集させられます。有償プラン(Pro/Max/Team/Enterprise)でパブリックベータです。
- DashboardsとMotion。Dashboardsは、自然言語で指示してデータの可視化を作り、データ基盤につないで更新され続けるダッシュボードにする機能(有償プランでベータ)。Motionは、文字やグラフを動かす解説動画を作る機能(Team/Enterpriseでベータ)です。
特にWorkspaceアドオンは、業務サイドの人にとって意味が大きいです。多くの職場では、売上も顧客リストも、すでにスプレッドシートの中にあります。そこへClaudeを呼び込めるということは、「データをAIのところへ持っていく」のではなく、「いつもの作業場所にAIが来る」ということです。さっそく、ハンズオンで試してみましょう。
2|企画書を作って、スプレッドシートの中で集計させてみよう
この回で作るもの・前提・所要時間
- 作るもの:「来期の販促企画」の1枚企画書(Docsで下書き → 同じチャットの続きでSlides に渡して1枚に → 配色と文字量を指示して整える)と、Google スプレッドシートに置いた架空の売上表から、Claude for Google Workspaceアドオンで作る月別・商品別の集計表とグラフ
- 前提:Claudeのアカウント(Docs/Slides は無料プランで可)とGoogle アカウント。Workspaceアドオンは有償プランが必要(筆者はWindows版のデスクトップアプリ(日本語表示)とChromeで試しました)
- 所要時間:全体で15〜20分。Claudeの生成を待つ時間は、企画書とスライドで6分ほど、集計で4分ほど(承認の操作を含む)です
- 使うデータ:すべて架空。売上表は記事中の表1をそのまま使います
手順1 Docsで企画書の下書きを作る
Claudeのサイドバーで「Artifacts」を開き、「ドキュメント」の「新規」を選びます。左にチャット、右に文書、という画面が開きます。指示は左のチャットに書きます。
指示は、「目的・相手・形式」の型で出します。何のために(目的)、誰に向けて(相手)、どんな形で(形式)の3つです。これを添えるだけで、返ってくる文書の精度が変わります。
> 来期(2027年1〜3月)の販促企画のたたき台を作ってください。 > 目的:部長会で予算の承認を得るための事前資料 > 相手:営業部長と経理部長(現場の細かい事情は知らない) > 形式:A4一枚。見出しは「ねらい」「施策3つ」「必要な予算」「期待する効果」「リスク」の5つ > 前提:架空の文具メーカー。主力は手帳とノート。前年の販促は展示会中心で、オンラインは手薄だった
送信すると、右側に企画書が書き込まれていきます。筆者の環境では約1分40秒かかりました。なお、文書は日本語で書かれるのに、チャット側の説明文だけが英語で返ってくることがあります。気になるときは「日本語で答えてください」と一言添えれば、以後は日本語で返ってきます。
できあがった文書は、その場で直せます。「施策3つのうち、2つ目をオンラインの施策に差し替えて」「予算の内訳を表にして」のように、変えたい箇所だけを指示します。
手順2 Slidesで1枚にし、配色の指示で整える
下書きができたら、同じチャットの続きで、スライドに渡します。別の画面を開く必要はありません。
> この企画書を、部長会で2分で説明するための1枚スライドにしてください。ねらいを一行、施策3つを並べ、予算と効果は数字だけ大きく。
スライドの中身が決まったら、見た目を整えます。これもスライドのチャットで指示するだけです。
> このスライドを、落ち着いた青系の配色で、文字を減らして図解寄りにしてください。会社のロゴは入れないでください。
ここまでで、企画書の下書きと1枚スライドができました。筆者の環境では、Claudeの生成を待つ時間が文書で約1分40秒、スライドで約2分、見栄えを整えるのに約2分で、指示を考える時間を入れても10分ほどでした。
手順3 スプレッドシートの中でClaudeに集計させる
次は、Googleスプレッドシートです。まず、架空の売上表を用意します。表1をそのままコピーして、新しいスプレッドシートのA1から貼り付けてください。
| 日付 | 商品 | 数量 | 単価 | 売上 |
|---|---|---|---|---|
| 2026/04/03 | 手帳A | 120 | 1,800 | 216,000 |
| 2026/04/18 | ノートB | 300 | 400 | 120,000 |
| 2026/05/07 | ノートB | 450 | 400 | 180,000 |
| 2026/05/21 | ペンC | 600 | 150 | 90,000 |
| 2026/06/02 | 手帳A | 150 | 1,800 | 270,000 |
| 2026/06/19 | ペンC | 400 | 150 | 60,000 |
| 2026/07/08 | ノートB | 520 | 400 | 208,000 |
| 2026/07/23 | 手帳A | 90 | 1,800 | 162,000 |
| 2026/08/05 | ペンC | 700 | 150 | 105,000 |
| 2026/08/20 | ノートB | 380 | 400 | 152,000 |
| 2026/09/04 | 手帳A | 210 | 1,800 | 378,000 |
| 2026/09/17 | ペンC | 500 | 150 | 75,000 |
次に、アドオンを入れます。Google Workspace Marketplaceで「Claude」を検索します。Marketplace上の名前は、そのまま「Claude」です(開発者はAnthropic。ドキュメント・スプレッドシート・スライドに対応)。これをインストールします。
インストールすると、スプレッドシートのメニューバーの「拡張機能」に「Claude」が加わります。「拡張機能」→「Claude」→「Open Claude」の順に選ぶと、画面の右側に「Claude for Sheets」というパネルが開きます。初めて開くときは、役割を尋ねる案内など数画面が出るので、そのまま進めます。パネルに指示を書くと、Claudeはいま開いている表を読み、その場でシートを編集します。
パネルに、次の指示を入れます。パネルの表示は英語なので、最後に「日本語で答えてください」を添えておきます。
> このシートの売上表を、月別・商品別に集計した表を「集計」という新しいシートに作ってください。合計の行と列も付けてください。それから、月別の売上推移の折れ線グラフを「集計」シートに追加してください。日本語で答えてください。
既定では、Claudeがシートに変更を加える前に、毎回承認を求めてきます。「Pending edits(保留中の編集)」として、これから行う操作が「1. 『集計』という名前のシートがあるか確認する 2. 無ければ『集計』シートを作る」のように英語で列挙され、「Deny(拒否)」「Always allow(以後は確認なしで編集)」「Allow once(今回だけ許可)」の3つのボタンが出ます。
ここでは、内容を読んで「Allow once」を押します。今回の集計とグラフでは、承認を8回ほど求められました。
ここで確かめてほしいのは、集計表の総合計が元の表の売上の合計と一致しているかです。元の表に戻って、売上の列(E2:E13)を選ぶと、画面の右下に合計が出ます(表1なら2,016,000)。これと集計表の総合計を見比べます。AIに任せた作業には、「元と照合する」ことを忘れないでください。
Design、Dashboards、Motionはこう使う
今回は手順にしませんでしたが、Designと、同じ10月に発表されたDashboards・Motionにも触れておきます。
Designは、文書やスライドとは別の型で、ピッチ資料・1枚資料・画面のモックアップのようなビジュアルを作る機能です。今回のスライドは、配色や文字量をスライドのチャットで指示するだけで整ったので、Designは使いませんでした。「見た目から作りたい」ときの入口と考えてください。
Dashboardsは、BigQuery・Snowflake・Databricksといったデータ基盤や、SalesforceのようなCRMにつないで、自然言語の指示でダッシュボードを作り、データが更新されるたびに自動で更新される機能です。「社内のデータ基盤につなぐ」時点で、後述する線引きの右の列、つまりエンジニアと組む領域に入ります。業務サイドの人が一人で始めるものではなく、「こういうダッシュボードがほしい」をエンジニアに伝えるときの共通言語として覚えておくとよいでしょう。
Motionは、文字・グラフ・図形を動かす短い解説動画をClaudeに作らせる機能です。四半期の報告や製品の説明を30秒の動画にする用途が想定されています。Team/Enterpriseプランでのベータ提供なので、個人のプランでは使えません。
ブラッシュアップで良くしてみよう
手順どおりに動いたら、以下2つを足してみてください。
-
企画書に「反対意見と回答」を足します。Docsに戻り、「この企画に対して、経理部長が言いそうな反対意見を3つ挙げ、それぞれへの回答案を添えてください」と指示します。部長会で聞かれる前に答えを用意できます。
-
集計に前年比を足します。 筆者の環境でできた集計表は、元のシートを参照する数式で組まれていました(Claudeの返答にその説明がありました)。元の表の数字を直せば集計にも反映されますが、集計する月は4〜9月に固定されています。そこで、表1を参考に「前年」シートを同じ4〜9月で架空に作り、パネルで「集計表に、前年同月比の列を足してください。前年のデータは『前年』シートにあります。日本語で答えてください」と指示します。ここで、承認の粒度を変えてみてください。承認の画面で「Always allow」を選ぶと、ふだんの編集は確認なしで進むようになります(リンクや外部の画像の挿入、共有設定の変更などは、引き続き確認を求められます)。試すのは、複製した試験用のファイルなど、元に戻せる環境にしてください。慣れるまでは「Allow once」で一手ずつ見て、何をされるかが読めるようになってから緩めるのが、筆者のおすすめです。
3|どこまで自分で作ってよいか
入れてはいけない情報
今回の売上表は架空です。実際の表で試すときは、貼る前に「入れてはいけない情報」が混ざっていないかを確かめてください。顧客名・担当者名・連絡先が入った列は、貼る前に消すか、「A社」「担当B」のように置き換えます。
ただし、試験用のファイルを使うだけで安全になるわけではありません。実際の業務データで使う前に、社内の規程、Claudeの契約プラン、データの保存期間(アドオンの入出力は30日以内に削除されます)、接続しているコネクタを確かめてください。
次の表2の線引きの右の列に踏み込まないために最初に確認するようにしましょう。
それでも、エンジニアにしか任せられない領域
「自分で作れる」が広がるほど、「どこまで自分で作ってよいか」を決めておく必要が出てきます。ここでいうエンジニアは、社内の開発部門に限りません。中小企業なら取引先のシステム会社、個人なら外部の専門家も含みます。筆者は、次の表で線を引いています。
| 自分で作ってよいもの | エンジニアに任せるべきもの |
|---|---|
| 自分や少人数の作業を楽にする道具 | 多くの人が使う、止まると業務が止まるシステム |
| 組織のルールで、Claudeに送ってよいとされたデータを扱うもの | 個人情報・顧客情報・決済を扱うもの |
| 壊れても手作業に戻せるもの | 社外公開、基幹システムとつながるもの |
| 本人が中身を説明できる規模 | 認証・権限・監査・法令対応が要るもの |
左の列に共通するのは、「失敗しても自分で戻せる」ことです。自分と数人だけが使い、Claudeに送ってよいデータだけを扱い、壊れたら手作業に戻せて、何をしているか本人が説明できる、という4つです。この4つがそろう範囲なら、組織のルールと自分の権限の範囲で、自分で作り始めやすい領域です。
逆に、右の列は一つでも当てはまったら、エンジニアに相談します。個人情報や法令対応が絡むときは、情報システムや法務の担当にも相談しましょう。この線は、AIがどれだけ賢くなっても動きません。セキュリティと、多くの人が依存するシステムの責任は、技術の問題ではなく、組織と契約の問題だからです。
今回作った企画書とスプレッドシートの集計は、どちらも左の列に収まります。架空の売上表を自分一人で集計し、おかしければ手で直せます。ただし、「このシートを社内の全員が毎日見る」「基幹システムから自動で売上が流れ込む」となった瞬間に、右の列へ移ります。そうなったら、エンジニアに相談してください。自分で作って動いたものをエンジニアが引き取って育てる、という道があることは、連載の後半で改めて書きます。
今回のまとめ
今回は、10月に発表されたClaudeの新機能を使って、企画書の作成とスプレッドシートでの集計を試し、自分で作ってよい範囲とエンジニアに任せる範囲の線引きを確認しました。
なお、今回紹介した「情報の3分類」と、Claudeへの指示の型は、書籍『Claude AI活用 最強の教科書』の第1章と第2章にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
來源:gihyo.jp · gihyo.jp